物件詳細

内外装とも一新した大規模改修の例です。入母屋屋根は切妻屋根に変わり、太陽光発電と太陽集熱を併用したOMクワトロソーラーを採用、断熱性能を全面的に上げて、無暖房住宅を目指しています。

　高崎T 邸は大屋根を持つ平屋の建物で、居住スペースに対して大きな集熱面を確保できることから、太陽集熱を妨げないOM ソーラー独自のクワトロソーラーを採用し、快適性、エネルギーの両面で他の2 物件に比べ、さらに高い性能を目指しました。既存建物の地盤が軟弱だったことから建物横の土地を柱状改良し、その上に新たに基礎を打設し、耐震補強を施しながら外観・内観を含めて全面的に変更するという大掛かりなエコリノベーションの事例です。
　屋根は瓦葺きの入母屋屋根から、冬場の集熱を意識した南2 段勾配の切妻屋根に変更しています。夏場の発電を考慮し、勾配が緩やかな部分には太陽光発電パネルを、勾配が急になる屋根上部を集熱面とすることにより、太陽の熱と光の最大効果を狙いました。また通常の基礎コンクリート蓄熱に加えて、水を入れたポリタンクで蓄熱量を増やす試みも行っています。
　改修前後の温熱環境は、居間の室温で比較すると、夏は変化なく、冬は平均で約8℃も上昇しています。計測したすべてのポイントで15℃を下回ることがなく、改修によって新築のOM ソーラーの家と遜色ないレベルの快適性を確保していると言えます（111 頁グラフ「改修前後の冬の室温比較」参照）。また、改修後の二次エネルギー消費量は改修前に比べ76%削減され、一次エネルギー量でも57%削減されています。特に電力では発電量が消費量を上回っており、改修による温熱環境の大幅な改善が消費量を減らし、売電量を増やす結果となり、いわゆるネットゼロエネルギーハウスが達成されています（111 頁グラフ「改修前後の住宅全エネルギー使用量比較」参照）。
改修に至る経緯と住まい手の要望
　高崎 T 邸は築20 年の平屋の住宅で、隣地の住宅計画や地盤の不同沈下の状態から敷地内での曳き屋、地盤強化を望まれました。また終の棲家への改修ということで、暮らしに合わせ、安全な間取りへの変更、冬暖かい住まい、温熱環境のバリアフリーを目指して住まいを改修することにしました。
改修後の住まい手の感想
　この家には改修前は息子たち夫婦が住んでいて、その前はおじいちゃん、おばあちゃんが住んでいました。私自身はこの家に住むようになるまでＯＭソーラーの家に住んでいましたからＯＭソーラーの暖かさ、快適さはわかっていました。息子たちはこの家の隣に新築のＯＭソーラーの家を建てましたが、そこよりも暖かく感じます。この家に来る前は一時的にアパートに仮住まいをしていましたが、この家に入ってＯＭソーラーの暖かさを再認識しました。特にお年寄りにはいいですね。電気も月２万円くらい売れています。